吉祥寺の味噌専門店ソイビーンファームより、味噌おやじのブログです。

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味噌屋4代目
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味噌おやじのブログ

花火ソンエルミエール
[ブログ] …2017/08/08

夏休み真っ最中ですが台風が来たり、集中豪雨あったり、
でもあちこちで花火大会が行われたみたいです。
そうこの文章も5年も前に書いてあったんですが、
思い出してブログに載せてみることにします。
それがこの文章です。

≪ソンエルミエール花火大会≫

―――夏休み真っ最中記録的な暑さが続きますが、
今年も全国で夏の風物詩とも言える≪花火大会≫が各地で催されました。

間断の音なき空に星花火

私の大好きだった女優『夏目雅子』の代表とも言える俳句です。
都会で見る今の花火は人が多すぎて、それに星空はほとんど見えないので
この歌の風情は感じられません。

小さい頃、私の町でも花火大会がありました。
海岸沿いに大して大きくもないんですが打ち上げられました。
花火を見に行ったものの、その音が怖くて
耳を手で覆いながら空を見上げていました。

花火が出てない時、見上げれば満天の星でした――――まさに星の花火。
怖がっていると思われたくないので、
「ほら、あれが北斗七星その先が北極星だよ」
なんて関係ないことを弟に教えていました―――遠い昔の記憶。
花火で思い出した事がもう一つありあます。

もう30年以上も前のこと。
まだサラリーマンで三越で働いていた時です。
当時夏には三越が主催する≪ソンエルミエール≫花火大会がありました。
南軽井沢レイクニュータウン―――三越の開発した別荘地―――
で行われる花火大会です。

周りを山で囲まれた高原の湖が舞台です。
そこの水上にステージが設けられ、曲が演奏され歌も。
その音楽に合わせて花火が打ち上げられます。
と同時に山の中腹から湖に向かってレーザー光線が放たれます。
―――花火の間は別荘に頼んで灯りを消してもらっていたそうです。

例えば<ジュディオング>が≪♪ Wind is blowing from the Agean 女は海≫
と羽の付いた衣装で歌い上げるとそれに合わせて花火、
曲のクライマックスには仕掛け花火やレーザー光線がここぞとばかりに放たれ

それは、花火に関しては長良川なんかで結構大きなのを見ていて
「へっ、所詮子どもだましみたいな山奥のちぃっちゃな花火なんて」と馬鹿にしていたら、

なんとその眩さ、スペクタクル、優雅さに圧倒。
まさに鳥肌ものです。
ただ何千何万のそして大きな花火に圧倒されるんじゃなくて、
軽井沢の自然の中、その地の利を生かした、
音と光の織り成す一大ショー、ページェント――そうまさにエンターテイメント、
オーバーですが芸術です。
曲に合わせて仕掛け花火が湖を走ったり、打ち上げ花火がまとめて上がったり。
レーザー光線が思いっきりのアクセントになってまるで夢の世界です。

30年たってもあんな花火一度もありません。
今も全国で打ち上げ花火の数と大きさそして新しい技術で競い合っていますが、
このような自然を生かした演出の花火大会はお目にかかったことはありません。

それを30年も前にプロデュースした三越―――岡田社長には頭が下がります。
そして帰り道、
車で国道まで出る道には
10m間隔で三越社員が並んでペンライトを振ってお見送り。
至れり尽くせりの花火大会です。

そうあの頃の三越のパワーは何処に行ってしまったのでしょう。

―――今度かつて全盛期の三越の裏話を書いてみます。


完熟トマトと煮込んだ鶏のポトフ
[ブログ] …2017/05/11

ブログレシピP-1



『完熟トマトと煮込んだ鶏のポトフ』



ねえねえ、今度彼が家に来てご飯食べたい

って言うんだけど何作ったらいい?

ええ、どの彼氏だよ?

そんな簡単に家呼んじゃってヤバくない?

大丈夫よ、付き合ってもう3か月になるし

ちゃんとした男よ。私に作れる料理教えて!

んーならいいけど、でもアナタに料理なん

できんの?大体鍋や包丁とかあんの?

そのくらいあるわよ、実家からママ送って

くれたから。ただむつかしいのや

面倒くさいのはNG!

じゃあ鍋一個で簡単にできる料理教えたる。

まず材料

1.骨付き鶏モモ2本


2.玉ねぎ小1個(縦に8等分に切る)


3.セロリ1/2本(1cm斜め切り)


4.完熟トマト1個(4等分)


5.ニンニクTかけ(みじん切り)


6.白ワイン50cc


7.バター小さじ1


8.サラダ油大さじ1


9.コショウ


10.味噌――辛子糀みそ20g


写真@

何その辛子なんちゃらて味噌?

唐辛子の入った中甘口の味噌、これがよく合うんだ。まあなけれがやや甘めの白味噌でもいいや。

うん、わかったよ。

まずだな、鍋温めてサラダ油とバターを入れみじん切りにしたニンニクを入れ、骨付き鶏モモを皮目を下にして入れて焼く。コショウを振る。

写真A

次いで玉ねぎとセロリ、入れたければしめじをほぐしていれる。鶏に焦げ目が付いて来たら白ワインを入れる。

しめじ嫌い、 写真B

トマトを入れたら水をひたひたになるく

い足して煮込む。

トマトの皮が取れてくるから箸でつまん

取る。ついでにトマトをつついてほぐして

おく。

もっと味を濃くしたければ缶詰ホールトマト1/3を入る。

アクが出てくるからお玉で取り除く、

次いで味噌を入れる。

写真C

蓋をしてさらに弱火で煮込む(20分位)

なんだ簡単じゃん、

本当はだな前の日に作っておいて一晩おい

て再度じっくり温め直してやると味が染みて身も柔らかくなってより旨くなるんだな。

めんどくさ、いいよ直ぐで。

骨付きなんてスーパー置いてる?

あるよ必ず、まあ無ければ鶏モモでもいいよ。

要は鶏、トマト、野菜、白ワイン、

味噌、を一緒に煮込めばいんだろ。 ただ見てごらん骨付きの方がインパクトあるだろう。

ジャガイモ、ブロッコリを予め茹でておいて仕上げに入れる。

うん見た目はまあまあかな。 写真D


この秋で開店30年
[ブログ] …2016/09/09

今から3年前、9回目27年の(契約)更新の時、不動産屋さんに
「10回目の更新はありませんから!」なんて大きな口叩いたのですが、そのあと何処にも移れそうな物件がなくて今の店舗に留まるしか方法がありません。
そうなんです後3年はこの店舗で営業することとなりました。
駅からも近いし場所的には最高なんですが、いかんせん建物は古いし他にも色々ガタが来てるところもあって出来れば新店舗に移りたかったのですが、思うような物件がなくて、、、、、、まあ30年の思い出の詰まった店ですし、昔の建築は頑丈だとも言いますから、
あと3年ここでがんばります。
少し手直しして味噌販売のスペースをもっと広げたいと思います。

お知らせ
[ブログ] …2016/08/16

お盆休みも終わり街は9月の秋祭りの準備に余念がありません。

東京でも記録的な暑い夏になりました。

台風もいくつか近づいたりどうも落ち着かない天気が続きます。

やや疲れが出てくる時かも知れません。夏バテですかね。




正直お食事のお客様がやや減りました。

ロールキャベツはやや暑いのかも知れません。

今は群馬県の嬬恋高原のキャベツを使っています。

私の一番お気に入りのキャベツです。

柔らかいのにこしがある、ほのかに甘くコクがあってロールキャベツには最適のキャベツです。

店内は涼しいですから一年の間で是非一番美味しいロールキャベツ味わってみて下さい。




今年春からスタッフ不足で、29年間年中無休で営業して来ましたが、毎週月曜日を定休日にしました。

土日終日平日夜は私が料理お出ししています。

外せない用事があったりして時によっては平日夜クローズすることもあります。

掲示してありますのでご覧下さい。

因みに今月夜クローズする日は18、23、25、30日です、悪しからず。(昼は通常通り営業)




仕事柄味噌はいつも食べるようにしてるからでしょうか、体調は万全です。

ワンダーコア150回、ダンベル持っての体操、腕立て100回、ストレッチは毎日、

週1回(社交)ダンスのレッスンは続けています。

ホットヨガ又始めるつもりです。



暫くブログから遠ざかっていました、これから少しでもマメに書いていこうと思います。


秋たけなわ
[ブログ] …2015/10/15

《秋たけなわ》
皆様如何お過ごしですか、
食べるものが美味しくなってきました。
10月いっぱい『吉祥寺ねこ祭り2015』開催中で、
当店にもチラシ片手に
『ねこマンマ』お召し上がりのお客様が増えています。
ネコと言えば今お出ししているリーフレットに
ネコの話が載っています。
読んだ方もいらっしゃるかとも思いますが、
改めて出してみます。
本当にあった話です。





<ミャーオー、ミャーオー>
店に帰って来ると、ちょうどベンチシートの裏側、
壁の後ろから猫の鳴き声、しかも子猫。

「おい、猫鳴いてるぞ、この奥」

「はい、そうなんです。
昼はキッチンの天井裏で鳴いていたんですが、
歩いてて落っこちたみたいなんです。
よく平気ですよね、それにこんな狭い所じゃ
親猫も助けられないですよね。」

ちょうどうちと隣のブティックの間が10cm位
お互いの壁の間に隙間がある。
その隙間に天井裏から落ちたらしい。

親猫がくわえて上ることもできないしましてや
子猫が独自で這い上がることも全くもって不可能。
今は元気に鳴いていてもその内放っておけば、
そうだよ、必ず死んでしまう。間違いなく。
参ったな。

「しょうがねえな、穴開けるぞ。ちょっと手伝え」
ベンチシートを手前に引き出し、
泣き声する当りにカッターナイフを差し込む。
カチッ刃が折れた。結構堅い、
何度か刺して引いて少しずつ切れてきた。
10cm四方の穴を開けてみる。
が居ない。

どうももっと右らしい。1メートル右に又穴を開ける、
やはり居ない。
間に柱があって手が入っていかない。
泣き声は柱の向こうだ。
相変わらず鳴き続いている、
が心なし弱って来ているみたい。
じゃあこの間しかない。三つ目の穴を開ける。

<ミャーオー>
声が響いた。
「ここだ、お前手小さいからこの穴から突っ込んでみろ」
「きゃあ、いました!ちっちゃい」
「そのまま、引っ張り出せ」

女性スタッフの小さな手の上で、
まだ目も開かない子猫が震えている。
<ミヤーオー、ミヤーオー>
柄に似合わずデカイ声で鳴いている。
「ようし、じゃあミルクだ」

牛乳をティッシュに含ませて口に当ててやる、
が、吸おうともしない。水でもダメ。
相変わらず震えながら<ミヤア、ミヤアー>鳴くばかり。
「親猫を呼んでんじゃない?」

それではと、味噌の空ダンボールに入れて、店の裏、
人気のない空き地に置いてみる。
子猫は声張り上げて鳴いているものの
親猫現れる気配も無い。

「どーするよ、もうかれこれ一時間、親来ねーぜ」
やっぱ死んじゃうのかな。

スタッフの一人が言った。
「分かりました、友達に一人獣医やってるのがいます。
国分寺ですけど電話してみます。」
夜10時過ぎで迷惑な話ではあるけど仕方ない。

「連絡とれました。猫持って来れば預かってくれるそうです。
これから帰る途中置いてきます。」
「そうか、すまんな、よろしく言ってくれ。」

一週間が過ぎた。
「そういえば、この前の子猫どうした、聞いてみたか?」
「はい、昨日連絡がありました。さすが獣医ですね、
暫くすると元気になって、
そうしたら里親が見つかって、もらわれて行ったそうです。
元気にしてると思いますよ、よかったです。」

ほんと人騒がせな猫だよ、ヤレヤレ。
おかげで、シートをずらすと壁の下の方に
ガムテープで貼った四角い穴が三つ並んでいる。

女性を口説けなかった男の独り言
[ブログ] …2015/09/04

―――前に『ラベンダー(見知らぬ明日)』で
あえなく北海道旅行を断られてしまったゴルフ男の
苦し紛れの言い訳を紹介すると言いました。
少し間が空きましたが、
彼が熱く語ってくれました。
まあ聞いてやってください。


『女性を口説けなかった男の独り言』

<あっそうか、いや参ったな。まさに家庭的というか、
食の原点みたいな店だ。>
良い店だし、料理もおいしい。
しかしこの店では女性を口説けない。

先ず雰囲気が明るすぎる。料理がシンプル。
そして現実感が溢れている。
通りが見える。入り口から客が入るのが見えてしまう。
当然二人だけの世界は作れない。

女性を口説くとしたら、理想は夜景が美しい高層ビルの50階。
料理はメニューを読んだだけで舌がもつれそうなフランス料理。
豊潤な香りのワイン、量は少ないが
こってりとボリュウム感のある料理。
内容の混んだ料理ほどベター。
薄暗い店内、静かな音楽。

何より大切なのは、現実感の無さ、プラス一種の興奮感。
高層ビルの上というのは人をそれだけで、
興奮状態にすると言われている。
つまり現実から切り離して二人だけの世界にしてしまう。
ちょっとしたワクワク感、
これが基本条件。

当然それだけで当惑してしまう相手もいる。
それはそれとして、どんどん会話でリラックスさせ
ゆったりした雰囲気を作っていく。
ユーモア、ギャグをちりばめた自分の体験談、これが大事。
相手が身を乗り出して、「ねえそれでそれで、」
ときたらしめたもの。

他人の話はタブー、誰それさんがね、お父さんが、兄が、、、
これはNG最低、とにかく自分の話をすること。
二人で来ているのに、どうして他人の話をしなくちゃいけないのか。

ややもすると自分の親戚兄弟友人知人の自慢話を得意げに
喋る人がいるけど、最低。
これは一番相手を白けさせる。
「そうね、すごい。その人はね、であんたは何なの。」

些細なことでも己の考え、行動、体験を話すこと。
やや大風呂敷を広げてもgood。
「うっそー」「そんなことありー?」
「そうそれはちょっとオーバーだけどね」
「なあんだ、でもやるじゃん」

食べる行為は自分をさらけ出すこと。
自分の本性を相手に見せること、
無防備になること。そこが一番のポイント。
つまり相手はそれを無意識の状態で望んでいる訳で、
だからこそ食事に来たんだから、普段とは違う
中身の濃い話になろうと言うもの。

そしてここで食事というのは、アペリティフ、
前菜に始まって、魚、肉、
そしてスウィーツ、エスプレッソ、
さらには食後酒まであるのが望ましい。
あくまでも非日常的な食事と雰囲気が大事。

食べるために来たのだけど、本当はそれだけじゃない。
二人だけの共通の時間を過ごしながら、
しかもお互いの本性をそれらしく、さらしながら、
いかに相手の本音を引き出すか、
意識の底を探り合いながら、、、

古い話だけど、
湾岸戦争の時の、スカッドミサイルとパトリヨットミサイルの
相互入り乱れての撃ち合いみたいな、
言葉と言葉の掛け合い応酬。
いかに自分を認めさせるか、相手の本意を知るか。
そうか、そう言うか。だったらこう返してみるか。

上面の話はいらない、本音を言わせること、探り出すこと、
<どうしようか、ええい、ここまで来たんだから全部話しちゃえ!>
そして相手の本音にさりげなく、傷つかない程度に
メスを入れてみる。
「そうは言っても本当のところはこうなんじゃないの?」
<えっ、うそっ私そんなこと思ってもみないのに、
でももしかしたら、、、そうかも。>
お互いの距離が近づき、二人きりの時間と空間に浸る。

相手の本音を探り出すと同時に自分の気持ち(本意、誠意)
を随所に散りばめておけばより説得力が増すというもの。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、手、足、指、唇、目、瞳、耳、
喉、胃袋、頭脳、全てを駆使した壮絶なるバトルである。
そこにこそ人生の大きな楽しみの極致がある
と言っても過言ではない。

空腹を満たしたい本能、それが満たされたら
次は自ずと、性欲。
ここに口説きの力量が問われる。

一緒にご飯食べたい、食べることによって自分の裸を見せる。
これはとりもなおさず全ての私を見せてもOKよ、
と言うサインなので、
無論本人は自覚意識がないかも知れないが、
潜在意識にはあると考えて良いだろう。
日常の殻に閉じこもっている精神を解き放ってやるのが肝心。

デザートを食べながら、
さーてと次は行きつけのショットバーで軽く一杯と、そして、、、
お腹は一杯、頭の中は次の作戦で一杯、
こんな夜ってそう何時もいつもあるもんじゃない。
こんな事で悩む自分にガンバレと言ってあげよう。


だからして食事して、
あー美味しかった、ごちそうさま。じゃあね、バイバイ。
では、へたくそ、どじ、間抜けと言われても仕方がないのだ。
相手はその気で来ているのに
無意識の意識を目覚めさすことができなかったのだから、
反省してもっと女性のことを勉強しなさい、
と言うことかな。

とまあこんなセオリーがあるのだがどこをどう間違えたか
ついさっきポロッと≪ラベンダー≫言ってしまったのが運の尽き。

そう現実ここは明るーい味噌レストラン
なんにしても、この店は開けッぴろげ、オープンすぎる。
ちょっとここでは雰囲気的に難しいこれ以上突っ込んだ話は無理!
勿論彼氏がいる、であろうこの女性を無理矢理口説こうとか
そんな気はさらさら無い。(下心が全く無いとは言えないけど)

一緒に楽しい時間を過ごせたらいいな、
美しい景色で一緒に感動できればいいな、とか。
美味しい料理で愉快に飲んで喋ってもっとお互い親しくなれれば、
軽い感じで誘ってはみたものの、
―――場合によっては、ひょっとして、、、、、

けど、、、、、、、、
味噌の話から逆に彼氏を思い出させてしまったみたい。
完敗!
墓穴を掘るとはこのことか。
まだまだ修行がたりないか。
ま、今回は撤退するしかないがいつの日か
自分の納得できるシチュエーションで再挑戦したいもの。


――――若干彼は古いけど<吉行淳之介>に影響されてるみたい。
まあ修行の問題ではないと思うんだけど、
口説きの力量をもっと身につけた彼の告白、次に期待しよう。




三つ目の奇跡
[ブログ] …2015/08/26

――― ほんと今年の夏は暑かったです。
猛暑日記録をドンドン塗り替え、日本列島が焼けたフライパンの上みたいでした。
でももう直ぐ秋!
30年以上も前になりますが、その年の夏になりかけの頃
地方に出張に行った時のこと(まだサラリーマン時代)、
発車前の新幹線に座って一人ボーっと窓からプラットホームを眺めていたら慌てて階段を走って来る人なんかもいて、フーンこんなことあるかなぁなんてニヤニヤ妄想にふけっていたことを思い出しました。
記憶を辿りながら書いてみました。


『3度目の奇跡』

そうだよな、取れるわけないよな。何せ夏休み最初の土、日だもの。
宿なんて空いてないよ、無理。
だって明日だよ、しかも観光名所、人気のホテルときたら、、、ま、でも一応電話だけしてみるか。

「えっ空いてる!」

ついさっきキャンセルが一件、ツインで一部屋なら取れる。
うっそー、ラッキー、
「えっ、はいお願いします。」やったね!!

ん、でも新幹線がなあ、、、1時間前に行ってホームに並ぶのも嫌だし、、、
恐る恐る窓口で、
「すみません明日なんですけど、はい、2枚。
いえグリーンでなくても、普通で、
えっグリーンは満席、じゃ普通なら空いてるとか?」
“そんな訳ないだろ"て顔で、窓口駅員はボタンを入力して行く。

画面が現れた。緑のランプが点いた。
「取れますね、10時12分、12号車10番のD、E」
窓口が不思議そうに言った。
「それ下さい!」

ありゃあ、買えちゃったよ、うそみたい。どうしよう。
ええい、こうなったら男は度胸、
思い切って誘ってみよう。

夜の食事の後で切り出した。

「ところで、明日なんだけど、うん急にゴメン」
「確か空いてるって言ってたよね?」

「そう、一緒に行かない?」
「前から出張で行くって話してただろ?」
「あー、うんホテル一泊だけど、予約取れたかって?」
「うん何とか、そう最近割と有名なホテル。」

「いいよ、無理にとは言わないよ。
気が向いたら来てくれればいいし、」
「都合悪けりゃ来なくても構わないし」
「僕?僕は仕事あるから、
どっちにしたって行かなきゃならないから、うん、」

「仕事はそんなにかからないから、
終わったらあちこち、一緒に行こうよ。」
「天気良さそうだし、暑いけどおもしろいと思うよ。」

「とにかく新幹線のチケット渡しておくから、」
「うん、取れたよ奇跡的に!」
「直接この時間に列車に乗って来てよ。」
と言って隣りの指定席のチケットを手渡した。


翌日、10時10分、新幹線ひかり112号、
隣りの席は未だ、、、空いたまま。

他の席は一杯、家族連れやグループ、カップルで満席。
皆笑顔で喋ってる、楽しそう。

そうだよな、来ないよな、来る訳ないよな、突然だったし、
しかも一泊だし。
ま、しょうがないか、一人仕事して早く帰ろ、
名物の味噌でも買ってさっさと帰って来よっと。

10時12分定刻、列車は音も無く走り出した。
過ぎ行くホームを眺めながら、
ひょっとしてホームにいたりして、
遅れて今にも駆け足で階段登って来たりして、
思わず目を凝らして見渡してみる。

ある訳、ないない、ふーっと大きなため息をついた。
偶々奇跡的に宿と列車の予約が取れただけ。
世の中そう甘くはないさ。
あるわけナイナイ!
三度目の奇跡なんて、、、


うしろで<コツコツコツッ>足音が止まった。
声がした。

「すみません、その席空いてます?」
聞いたような声、

振り返ると、旅行カバンを手にした彼女がニコニコして立っていた。
チケットを手に。

「くそっ、やられた」―――でも私の顔には満面の笑み


――実際遅れそうになって慌てて走って飛び乗り
指定の車両まで歩いてきたのか。
実は前から乗っていたのに彼を焦らせてみたかったのか、
そうだとしたらなかなかの女性だし、
やるもんだねーって言ってやりたい。
こんな彼女がいたら楽しいかなあ、、なんて妄想しながらニヤニヤ、、、

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