吉祥寺の味噌専門店ソイビーンファームより、味噌おやじのブログです。

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味噌屋4代目
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味噌おやじのブログ

2月は私の誕生月でした
[ブログ] …2015/02/24

もうこの年になってしまうと誕生日と言ってもさしたる感激もありませんが、

そうさね32年前はこんな妄想していたっけなと昔の文を引っ張り出してみました。



『最高のアクセサリー』



「はい、誕生日プレゼント。35歳かしら、もうおじさんね、」

「でもとりあえずおめでとう。」

そう言って彼女白い封筒を手渡した。



ここは乃木坂に近いとあるクラブ。

会社の2年先輩の叔母に当たる女性がやってると言う、

まそれほど高くは無く、気軽に寄れる店。

彼女を連れて行くのは2回目。



開けてみると下北沢の劇場のチケット2枚が入っていた。

≪東京乾電池≫の芝居の指定席券だ。



「あっ、どうもありがとう、へええ、芝居のチケット?」

「そう、結構評判良いみたいよ。この日夜仕事入ってないって言ってたわよね。」

「そうだよ、5時半には上がるよ。」



「んんーーんそれでね、良かったら私を誘って?!」



「えっ、うん。も、もちろん誘うよ。当たり前じゃん、一緒に行こう。」



「よーかった、嬉しい!」

「違う人と行くって言われたらどーしよう、ってドキドキしてたの」



この大嘘つき、何がドキドキだよ。

俺が絶対誘うと100%分かっててそう言うんだから、よく言うよ。

一人毒付いた。



と、いきなり店のママが割り込んできた。

「あーーら、二人して何ごちゃごちゃ話してるのかしら?」

「まあ、東京乾電池じゃない、私この劇団好きなのよ。

ねえ、誰と行くの?私と行こう!連れてって!」



いやっ、それはないっすよ。その選択肢はありえない!



「私ちょっと、お手洗い。」彼女が出て行ってしまった。

気を悪くしたかな、ちょっと心配。



ママと二人きりになると、

「ばかね、行く訳ないじゃない、ちょっとからかっただけよ。」



「でも、あの子凄く良い子よ、手放しちゃダメよ。」

「綺麗だけじゃない、センス良いし頭も良い。

なかなかあんな子いないわよ、かなり年も違うでしょ、

あの子未だ女子大生でしょ。でも二人中々良い線いってるわよ。」



「仕事柄いろんなカップル見てるし、話したりもするけど、

あそこまで出来た子まずいないわね。

うらやましい、私が男だったら放っとかないね。」



「いいこと、あなた位の年の人、よく女性連れてくるけど、

勿論奥さんじゃないわよ、それに関して私は良い悪いは言わない。

でもどうせ連れて歩くなら良い女選びなさい。」



「その連れてる女性を見て、私たちその男性を見極めるから。」



「どんな立派なスーツ着てロレックスしてても、

連れてる女、見るからにアホ、どんなにスタイル良くても中身ない女、

これだとその男会社ではどんなに偉いか知れないけど、ダメね。

もう体だけじゃんってミエミエ。その男の価値ガタンと下がるわね。」



「逆にその人がそんなに身なりは大したことなくても、そう、あなたみたいに」

「連れてる女性がセンス良くて、頭も切れて、ユーモアの分かる

しかも気の付く子だったら、それで人一倍可愛いときたら、

その男性の評価抜群に上がるわよ。」



「言ってみれば最高のアクセサリーよ。」



「あなた今最高のアクセサリーしてるわ、

あの子に見合う様あんたも仕事、遊び?がんばんなさい!」



「お待たせ!あら二人で何の話ですか。乾電池二人で行かはるんですか?」



なんでそこで関西弁になるんだよ。

「行かないよ、ママは残念ながらその日は仕事なんだって、ほんと残念。」



「あーーら、それで仕方なく私と一緒に?嬉しゅうございますこと。」



誕生日プレゼントに芝居のチケットもらうことも初めてだし

《よかったら私を誘って》なんて言われたことも、

なんとも新鮮で、いわゆる胸がキュンと締め付けられて熱くなり、

そしてますます彼女に引かれて行く自分を感じていた。



<もちろん、手放しはしない、アクセサリーなんて、そんなんじゃない。

それに仮にどんなダイヤモンドだって敵いはしないさ。>





—————ほんと、ここまで来ると男の妄想って留まるところを知らない、

って感じかな。中年男のしがない希望?願望?欲望?つまり妄想。

駅に貼られた芝居の広告ポスター見ながら、こんなことあったらなあと、

かなり前にノートに書き込んだものを仕上げてみました。

網膜剥離
[ブログ] …2014/03/11

しばらくhpご無沙汰していました。
去る1月24日いきなり網膜剥離の診断を受け即入院手術となりました。
硝子体手術といって要は眼ん玉くりぬいて白目に3つメスで穴開けて器具差し込んで
剥がれた網膜くっつけてレーザーで焼き付けてその後ガス入れてガスの圧力で網膜くっ付けるという手術。術後はいつもうつ伏せにしてなきゃならないのが大変、つまりはガスが上に上がろうとするのでその力でくっつけるので常に目玉が下向いていなきゃならない(網膜をガスで押さえている)。
それが辛い、寝れないし肘が痛い、腰も痛くなるし胸も圧迫され苦しい。
することもないので、2月1日の『武蔵野文化講座、COOLJAPAN日本味再発見味噌知る講座』の原稿書いて、リハーサル寝ながらやってました。
おかげで30日無事退院、ほんとうは1週間は自宅安静1ヶ月は仕事禁止と言われましたが、
眼帯しながら2時間の講座――まずまずの出来ではありましたが、もっとしっかり準備して細かなところまでニュアンス伝わるよう再度リベンジしたいです。
1週間前にやっと運転の許可が出て、車で通えるようになりました。仕事はすでにしてますが、1ヶ月の凹みいつか倍返しだ!

SOYBEANFARM
[ブログ] …2013/09/09

SOYBEANFARM

『エピソードー2』
[ブログ] …2013/07/07

『エピソードー2』







もう7,8年も前のことです。







一本の電話が入りまして、

この店に来たいから、場所を教えてくれと。


男性の結構年配の方でした。

吉祥寺は知らないとおっしゃるので、


丁寧にご案内しました。







しばらくすると、杖を突いてゆっくりゆっくり

歩いて来られたおじいさん、


「やっと来られた、

何せおたくの新宿三越店で買っていた味噌が欲しくても、


店がなくなってしまって買えないじゃないか、

しようがないから、その味噌を探して

東京中のデパート全部行ったよ」







「だけどどこにも無い、そんな味噌は知りません、

なんて言いやがる。」


「困ってもう一度新宿三越で聞いたら、

たまたま知ってる店員さんがいて、


吉祥寺でやってるって言うんで、電話番号聞教えてもらって、


やっとの思いで来たんだよ。」







――――それはもうわざわざありがとうございます。







「そうだよこの味噌だよ、」


「これが気に入って、三越にある間ずーっと買っていたんじゃ。」





「ばあさんも大好きで、

どうしてもこの味噌じゃないと駄目だ、なんて言うんだよ」


「もっと早くに聞いておけば良かった。」







――――じゃあ、500gひとつお作りします。





「いや、ふたつ作ってくれ」







「ひとつは、ばあさんの仏壇に供えるから」





―――― ・・・・・・・・・







――――いつお亡くなりになったんですか。





「今日でちょうど一ヶ月だよ」





「ばあさん、今夜は久々、辛子の味噌汁食べような。」


おじいさんの目から涙。







こちらもついもらい泣きしてしまいました。







大事そうに味噌をかかえて、

またゆっくりゆっくり杖を突いて


帰って行かれる姿は忘れられません。







都内ある町の大きな文房具屋のご隠居さん、

ということでした。












まあこんなエピソードもある『広島辛子糀味噌』


やはり当店の売れ筋ナンバーワンです。


口がまずい夏にピリッとした味わい、

唐辛子の辛さが食欲を誘います。


サマーセール中950円が750円/500g とお買い得







一度お試しあれ。


『味噌に乾杯p-1』
[ブログ] …2013/06/14

―――開店して最初に作ったパンフレット(リーフレット)


味噌のことばかりじゃ面白くないので、


味噌を題材にしたショートストーリーを


入れてみようとライターの人にシチュエーションだけ話して


作ってもらったのが気に入らなくて、


結局自分で書く事にしました。


出来た文章がこれです。


うまいへたは抜きにして昔から書くことは好きだったので


以後のリーフレットにも全部自分で書いて載せています。


とにかくデビュー作がこれです。








『味噌に乾杯p-1』






雨が上がって眩しい陽の光が、マンションの中に

はっきりとしたコントラストを作り出していた。


「うん、今日あたり行ってみようかな」


今なら素直な気持ちで、やさしく話せるような気がした。

彼が1週間の海外出張。




義母とどうもうまくやっていける自信が無くて、結婚以来、


夫と二人暮らしの1年。


未だ夫の実家には一度も立ち寄ったことはなかった。




この街は気に入っていた。
駅から家までの15分、ふと気が付いた店があった。


「へえ、味噌ねえ」


ついぞ何年も使ったことがない。





昔実家の母は毎日作ってくれた。


とりわけ豆腐と油揚げの味噌汁は好きだった。




しかし、独り暮らしを始め自分で色々な料理を


作るようになって以来、全く使わなくなっていた。


嫌いになった訳ではない、ただ意識の内にないのだ。





その店の開かれたドアの奥にある白い陶器の中の味噌は


昔を思い起こさせた。


勧められるまま<信州白味噌>300グラムを


白いカップに入れてもらい買って帰った。




たった一つのレパートリー、豆腐と油揚げの味噌汁を作った。


彼が珍しく上機嫌になった。


「たまにはおふくろに会ってやれよ。」






それ以来味噌をよく使うようになった。


ブイヨンの代わりに味噌を使って牛肉と大根のポトフ、


鶏肉をニンニクとバターで炒め、


タラ、カニ、エビ、イカ、ムール貝を入れた


味噌味のブイヤベース、


白味噌のロールキャベツも作った。






勿論私の18番<デミグラスソースのビーフシチュー>


彼は大好きだ。いつも喧嘩などしたことない、が、


時に会話が上滑りしていると感じることもあった。






でも味噌を使った料理の時は、


なぜか会話が弾んだ、しっくりした。


そして優しくなれた。


なぜだろう。




時に義母の気持ちを思うこともある


今までなかったのに。




「じゃあ一度訪ねてみようかな」


気持ちが軽くなった。


お土産は、


義母の故郷仙台の『御用蔵味噌』に決めた。








―――もう27年も前に書いた文です。


これ以来ですか、どんな文章を書いても平気で


人前に出せるようになりました。


『ラベンダー(見知らぬ明日)』
[ブログ] …2013/06/11

『見知らぬ明日』







「今度、北海道にラベンダーを見に行きませんか。」







「今が一番いい時期で、

見渡す限りにラベンダーが咲き誇って、


正に花で織り成す刺繍といったところかな。」







<行ってみたーい、きれいだろうな。>







そもそもその人と食事をするようになったのは、


ゴルフ練習場でフォームを直してもらったのが

きっかけで、一緒に食事をして、

その後も何度も誘われたのだ。


30過ぎかな、結構かっこういい。







学生時代から付合っている彼が転勤で

大阪に行ってしまったので


なかなか会う機会がなくなってしまった。


悪いなあと思いながらもおいしい食事に

誘われると断れない。


でも食事のその後はなしと決めていた。







最初の食事は、六本木のフランス料理。





「じゃ、あなたと、ぼくの

見知らぬ明日に、乾杯!」







<なんてきざな>




とは思ったものの、


「お酒は、とりあえず前菜までは、このシャンパンで、


サーモンの香草焼きにはロワールの白のプイィフィメ、」





「そして羊料理には、赤、

ボルドーのシャトーラグランジェか、


同じくメドックのポーイヤックあたりにしましょうか。」


なんて分かった風な口のきき方。







しかしまんざら嘘でもない。

おいしいワイン、料理にぴったり合う。


イタリア料理の後には、

消化に良いからとグラッパを勧めてくれたりもした。







話も上手、思わず身を乗り出して聞いたり、


吹き出して笑ったり、確かに楽しい。


さりげなくエスコートしてくれて、

彼にはない気配りがある。


それがなんとも心地よい。


食事の後は必ず家の近くまで送ると言ってきかない。










でも、いつもご馳走になってばかりじゃ

気がひけるので私が誘った。


学生時代からよく遊びに来ていた

この中央線の街は相変わらず人で溢れていた。










店までの道すがらこう誘われたのだ。


<北海道のラベンダーか、いいだろうな、

でも富良野一泊!>







店内は女性客でいっぱいだった。





「へぇー味噌なの、

ロールキャベツのスープの味を選べって?


うーん赤味噌、白味噌、

僕の母は関西だからよく甘い白味噌を使ってたな。


おもしろいね、おいしそう。」







「昔さ、学生時代よく皆で鍋に色んな者物入れて

味噌と一緒に煮て、


わいわい騒ぎながら、鍋突っついたり、、、 、 」







話を聞いているうちに急に

大阪の彼のこと思い出してしまった。





「北海道さ、やっぱ行けない。ごめんね。」







今度の週末久しぶりに大阪行こう。


彼のきたないアパート掃除して、晩御飯一緒に食べよ。


そうだここで信州味噌買って行って、

ロールキャベツ作ってやろう。







ワインはーーやっぱ白かな、、でもカリフォルニア産。












―――さすがタイトルは良かったのですが、内容がイマイチ?


このタイトルは大好きな小松左京氏の小説から頂きました。


見事振られてしまったゴルフ男、彼の苦し紛れの言い訳をこの後で、


言い訳銀行
[ブログ] …2013/06/10

―――だんだんブログも興に乗ってきました。
味噌の話じゃなくて恐縮ですが、以前に書いたもので気に入った話を
載せてみます。顰蹙買うのを承知のうえで、、、

『言い訳銀行』

「それで、昨日の夜は何処へ行ってたの?」

朝ごはんの用意を済ませると、自分もテーブルに着くなり、
さりげなく発せられた妻の一言に、
後頭部をがつんと真綿で包んだバットで殴られた様な衝撃が走った。
予期せぬ問いかけに、
一瞬目が宙をさまよった。彼女はそれを見逃さなかった。

「えっ、うん、あー、そのー」言いよどんでいると畳み掛ける様に、
「だから何処へ誰と行ってたかって聞いてるの!うーうーじゃないでしょ」

まずいぞ、これはやばい、知ってるのかな、
会社の後輩の女性と食事して、Hホテルへ行ってたなんて、
こんな事、口が裂けても言えない。

何とかうまく言い逃れなくちゃ、
焦ればあせるほど頭の中では色んな地名が大回転で回っている。

「渋谷」
いけね、彼女との待ち合わせの場所だ。

「へええー渋谷、渋谷の何処?」

バカかお前は、大体渋谷なんて40過ぎた男が行く場所じゃない。
これで半信半疑で問いかけた妻の疑惑が一挙に、ソファーの横に転がってる
バランスボールの如く膨れ上がるのである。

大体において、妻が夫の動向を尋ねる場合は大まかに三つに分けられる。

一つ目は何も疑ってはいない。只好奇心だけ、疑惑度0.
二番目、然程気にはしていないがひょっとして、疑惑度20%。
三番目、かなり怪しい何でも疑ってかかる、疑惑度75%。

一番目二番目はそれほど気にすることもない、ありのまま話せば問題ない。
もしくはさりげなく話題をそらせばいい。

注意すべきは三番目の疑惑度75%以上の場合である。
これを疑惑度0にまで限りなく近づけるにはかなりのテクニックが必要となる。

肝心なのは嘘をつかないこと、嘘は突っ込まれると必ずぼろが出る。
つまり嘘をつかないで言い訳をする、これが大事。

じゃあどうするかって?
先ほどの朝の夫婦の会話に戻ろう。

彼女の場合はおそらく日ごろの夫の帰宅時間やら何やらで
少し怪しいと睨んでいたのではないか、すなわち疑惑度50%。
そこへ来て『渋谷』なんて言うもんだから一挙に90%にまで膨れあがったのである。
これからどうするかって?

まあ言ってしまったのはしようがない。『渋谷』から始めましょうか。

「うん渋谷、取引先の若いのが今度渋谷フードショウに出来た新しい店見たい、
そう東急の、って言うんで、そこで待ち合わせして、
とりあえず見て、ちょっと試食もしてみたんだよ、
そしたらさ、仕掛けは良いんだけど、味がイマイチってとこか。」

「そりゃあ勿論味噌料理に関しちゃあお前とも行った吉祥寺の
あの店の方がダントツさ、それにそこは渋谷にしては値段が高い。」

「そうこうしていたら、その会社の部長の、ほらよくゴルフ一緒に行っていただろ、
北川さ、彼から携帯入って、今から銀座で飯食うから一緒に来いって言うんで、
ええっーと思ったんだけど、とにかく行った訳だ。」

「勿論その若い方のかれも一緒さ、まあ北川とも久しぶりだったし、
そうしたらなんと、接待の席じゃない、もちろんされる側。」

「そう銀座の飛雁閣なんったら大した店じゃん。僕なんかが行って邪魔にならない、
聞いたんだけど、大丈夫大丈夫気安い相手だからなんて言うから、
ご馳走になったんだけど、名刺もあんまし持ち合わせがなくて参ったよ」

話が込み入ってるけど、込み入ってる方が良いのです。
そしてそれを出来る限り具体的に話す、
つまり女性に想像力を働かせちゃ駄目なんだよ。

そしてここで重要なのは、この話が嘘じゃないこと、本当にあった事、
本当に過去に接待の席にのこのこ着いて行った時の事、

ただし昨日じゃない。

何日か何週か前に実際にあったこと。それをそのまま何も隠すことはない、
何のやましいこともない時の事、これをありのまま喋ればいいのです。

後ろめたい昨夜の事ではなく、何のやましい事もない時の話だから、
すらすら話せるでしょう。そして自分もその時の気分に入り込んじゃうのよ。
そうすれば奥さんだって信じ込むって訳よ。

これが私の言うところの《言い訳銀行預金》
過去に行ったことのある、それでいてかみさんには話してない所、
そしてその状況、誰とどうしてどうなったか、なぜ遅くなったか、
を《記憶の定期預金》として持っておくこと。これが大事。

夫婦だからといって何から何まで全てその日にあったことを洗いざらい喋ることはない。
あっこれは使えると思えば話さないでそっと記憶にしまっておけば良い。
そして今度それを引き出したら、ちょっとその内容を膨らませて話せばいい。
聞いていても楽しい様に、これが思いやり。

ちょっと話は反れるが、よく言われるのが、夫婦だから何でも話すのが大事。
楽しいこと、辛いこと何でも二人で話し合えば、楽しさも二倍になるってね。
だけど辛い事、嫌なことも二倍になるんだよ。
二人で分かち合えば辛い事は半分ずつ、これは嘘。

どうして一人の辛さを他人に背負わせるのか?
嫌なことは自分だけで我慢すればいいじゃないか。
かみさんとはいえ人にまで嫌な気分にさせる事はない。

話が横道に逸れたけど、さてと仕上げ。
いくらがんがん飲んで食べても、中華じゃいいとこ11時でしょ。
妻は言うでしょう「だったらそこでさっさと帰ってくればいいじゃない。」
だけどそうは行かないのが男の社会。

「せっかく北川さんとお食事できたんだから、もう一軒、行きましょう、
歩いて行かれる所に馴染みの店があるから」
当然言うでしょう接待する側としては。

「僕はもう帰ろうか言ったんだけど、
北川もいいからいいからなんて誘うからついのこのこ」

「帰ってくればいいじゃないって?そうはいかないよ。
ご馳走になっておきながらじゃあはいさようならは出来ないでしょう」

「まあ銀座にしては大衆的っていうか、クラブじゃなくてスナック?
アジア女性もたくさんいてさ、カラオケで大盛り上がりさ。
僕?勿論歌いますよ。サザンでもキンキでも」

「ったくしょうがないわね、でも電話くらい出来るでしょ、メールでも」

「いや、気がついて慌ててしたんだよ、でも地下は繋がらないんだよ、ごめん。」

「・・・・・・・・・・・・」
「さっさと食べて早く会社行きなさい、遅れるわよ。もーーう」

こうなればしめたもの、一件落着。
膨らんでいた疑惑度90%は20%に格下げ。

言い訳バンクもさるものながら、行く場所大事だね。
まあその人の年にもよるけど、大抵の場合『銀座』って言っておけばまず大丈夫だね。

女は銀座って言葉に対してはちょっと身構える所があってやや一目置くんだな。
この人銀座で飲んだり、食べたりするんだ。
つまり銀座は高い、高級だって思ってるんだな。

銀座の夜の女性とはそう簡単に仲良くはなれない、
まあ男として銀座で遊ぶくらいはしょうがないか、と妻は考える。
自分の金にしろ人の金にしろ銀座で遊べる位甲斐性が出来たんだ、と考える。
その裏をかくんだな。

勿論『言い訳銀行』大事です。色々な定期預金あるにこしたことはない。

そして
「じゃあ今度私もその店、飛雁閣連れてって、必ずよ」
安くはない金利を逆に払う羽目になることは覚悟しなくてはならない。


(これはフィクションです。東急さん、飛雁閣さんごめんなさい。)

―――なんてね、自分ながらうまく書けた物語だなとは思いますが、
こんなことで、隠し通せる訳がない。
今度機会がありましたら、強かな女性目線で再度検証してみましょう。


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