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「エピソード―8」

「エピソード―8」

《味噌に乾杯p-2》
 
『ラベンダー』
 
「今度、北海道にラベンダーを見に行きませんか。」
 
「今が一番いい時期で、見渡す限りにラベンダーが咲き誇って、
正に花で織り成す刺繍といったところかな。」
 
<行ってみたーい、きれいだろうな。>
 
そもそもその人と食事をするようになったのは、
ゴルフ練習場でフォームを直してもらったのがきっかけで、
一緒に食事をして、その後も何度も誘われたのだ。
30過ぎかな、結構かっこういい。
 
学生時代から付合っている彼が転勤で大阪に行ってしまったので
なかなか会う機会がなくなってしまった。
悪いなあと思いながらもおいしい食事に誘われると断れない。
でも食事のその後はなしと決めていた。
 
最初の食事は、六本木のフランス料理。
「じゃ、あなたと、ぼくの見知らぬ明日に、乾杯!」
 
<なんてきざな>とは思ったものの、
「お酒は、とりあえず前菜までは、このシャンパンで、
サーモンの香草焼きにはロワールの白のプイィフィメ、」
 
「そして羊料理には、赤、ボルドーのシャトーラグランジェか、
同じくメドックのポーイヤックあたりにしましょうか。」
なんて分かった風な口のきき方。
 
しかしまんざら嘘でもない。おいしいワイン、料理にぴったり合う。
イタリア料理の後には、消化に良いからとグラッパを勧めてくれたりもした。
 
話も上手、思わず身を乗り出して聞いたり、
吹き出して笑ったりたり、確かに楽しい。
さりげなくエスコートしてくれて、彼にはない気配りがある。
それがなんとも心地よい。
食事の後は必ず家の近くまで送ると言ってきかない。 
 
でも、いつもご馳走になってばかりじゃ気がひけるので、私が誘った。
学生時代からよく遊びに来ていたこの中央線の街は人で溢れていた。
 
店までの道すがらこう誘われたのだ。
<北海道か、いいだろうな、でも富良野一泊!>
店内は女性客でいっぱいだった。
「へぇー味噌なの、ロールキャベツのスープの味を選べって?
うーん赤味噌、白味噌、僕の母は関西だからよく甘い白味噌使ってたな。
おもしろいね、おいしそう。」
 
「昔さ、学生時代よく皆で鍋に色んな者物入れて味噌と一緒に煮て、
わいわい騒ぎながら 、、、、   」
 
話を聞いているうちに急に彼のこと思い出してしまった。
「北海道さ、やっぱ行けない。ごめんね。」
 
今度の週末久しぶりに大阪行こう。
彼のきたないアパート掃除して、晩御飯一緒に食べよ。
そうだここで松葉味噌買って行って、ブイヤベース作ってやろう。
 
ワインはーーーーやっぱ白かな、でもカリフォルニア産。
 
―――そうです、これも30年くらい前にリーフレットに載せた文章です。
懐かしいです、これの続編もあるんです。一緒にUPします。

2020-06-24 09:20:44

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