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銀座の街角で

銀座の街角で

久々の銀座、2月半ばが過ぎたというのにどうして寒い。
待ち合わせの時間には未だ早い、
少しブラついてみるか。
 
勤め帰りの女の子達がそろそろ街に出てきている。
皆生き生きして輝いている、肌きれい。
流行のロングブーツにダウン、足長い。
スタイルはいいしファッション垢抜けている。
さすが銀座、
 
私でも25年前はいわゆるボディコン、ミニスカートでブイブイ(もう死語かな)
言わせていたこともあった。
花の女子大4年生、言い寄る男どもを手玉にとって、外車でなけりゃ車じゃない
なんてマジで思っていたこともあった。
 
そうそう一時所帯持ちのエリート商社マンと付き合ったこともあった。
銀座のレストランで食事中、奥さんが乱入、二人して大喧嘩。
私はそのまま食事だけ済ませてバイバイ、後は知らない。
 
優しい男は金が無く、金がある男はわがままで自分勝手だった。
でも私の言う事を聞かない男は誰もいなかった。
並み居る男どもに負けず私も我が儘で気まぐれだった。
 
最後に私を口説き落とし、結婚したのは東京近郊の土地持ちの一人息子だった。
向こう気が強く野心家、こうと決めたらどんどん突き進んで行くバイタリティーと
時折見せる優しさが決め手だった。
 
結婚と同時に会社勤めを辞め、娘二人をもうけた。
夫は急成長するPCソフト会社を立ち上げ、成功。
5年後には関連会社をもう一社、これも順調。
 
実家の義父が何が何でも私立に行かせよと言い出し、幼稚園から塾に通わせ
何とか二人とも女子校に入れた。
下の娘が小学校上級生になる頃には家の仕事も楽になり、
ヨガ、テニス、スタジオエクササイズ、ピラティスを始めた。
 
夫は仕事がうまく行くようになると、女に手を出した。
飲み会で遅くなると言った時は必ず朝帰り、訳の分からない出張で家を空ける。
でも昔の同僚から全て筒抜け。
 
夫の実家の法事の手伝いや何やらで義母からは、仕事ができない、要領が悪い
など散々言われながらも耐えてきた。
たまに義母が家に来るときは念入りに掃除したつもりでも、
「チョット〇〇さん、ここ拭いてあるの汚いわね。」
ったくイヤになるわね、――だったら来なきゃいいのに、、、、、
 
夫は女遊びにうつつをぬかす分、家には金を入れてくれた。
さすがに後ろめたかったのだろう。
その金で着物も買った。
着付け教室にも通った。
少し節約すれば結構な帯も買えた。ザマーミロ。
 
何だろうもし子どもが二人とも男だったら、テニスコーチから誘われた時
浮気していたかもしれない。
娘の手前(ばれる訳はないけど)後ろめたさは隠せない。
 
でも今となってはどーーーうでもいい事。
今更イケメンコーチとどうのこうの考えるだけでも面倒くさい。
それほど体の線は変わっていないし、おしゃれ度だって若い子に負けてはいない。
 
自由な時間もあるし、何なら友達と温泉旅行と偽って
彼と一泊旅行も出来ないことはない。
でもうざい、面倒、第一ときめかない、なんかどうでもいい。
どうしてこんなになっちゃったんだろう。
 
ため息が出た。
どうしてあの娘達あんなにはつらつとしていられるの。
どうしたらあんなに輝けるの。
またため息。
ん、、、、気が付くと、さっきからこちらをちらちら見ている人がいる。
あーーれーっかすかに見たことある、誰だっけ。
いやだ、近づいて来る。
「こんにちは、お久しぶり、覚えてますか?」
 
そうだ!
「やだ、〇〇さん」
「ピーンポーン、やっぱりせーこちゃん。何年ぶり」
 
まだ私が学生の頃あるデパートのみそ売り場でバイトをしていてその時の
会社の上司だった〇〇さん。
未だ時間があったので誘われるまま近くの喫茶店に入った。
「何してるの?」
「結婚は?子供は?」
身の上話が一段落すると、
 
「昔、君がデパートで働いている時、朝の仕事が片付くと、こうして
誘ってよく二階のカフェでお茶したよな。」
「ただ、地下に戻ってくる時、周りの売り場の男連中の顔といったらなかったね。」
「何が?」
「何せ君はあのデパートの食品売り場の中では一番の美人だったから、」
「僕が君と二人でお茶して帰ってくると、すげぇ顔して睨むんだよ」
「<このおやじ(――当時はまだそんなにオヤジでもなかったけど)上司の
立場を利用して二人でお茶なんかしやがって、、、俺達だって誘いたいのに>
なんて視線を痛いくらい感じたよ。」
「それくらい君が美人だったってことだよ。」
 
「でもそれはもう25年も前の話でしょ、もう今ではヨレヨレのおばさんよ。」
「そうだね、肌つやは落ちているし、くすみも、しわも増えたかな。」
 
「そんなあからさまに言わないでよ、ほんと口の悪さは変わっていないわね、
どうせ私はおばさんよ。」
 
「そうそう開き直りも大事さ、もうあれから25年だろ、
あん時みたいに肌ツヤツヤだったらお化けだよ。」
「でもいくらか容姿は落ちても、どうしてそれ以上に魅力あるよ。」
「さっき最初目に留まったのは、昔見たことがあるじゃなくて、
<ん、すげー美人>って感じたからさ」

「今度は調子のいいこと言ってぇ」
 
「イヤ本当さ、まず足綺麗だろ、服のセンス抜群、バッグもお洒落、
ヘアスタイル決まってるし、お化粧もバッチリ、」
「綺麗だよ、ダントツさ、もちろんピチピチ感は落ちるし、ハリもちょっとネ」
「でもその辺の、若い娘にはない色気そして存在感かな<私はここよ>なんて」
「曲りなりにも、人生堂々?歩いてきて<悔しかったら真似してご覧!>的な迫力あるね」
「言ってみれば一人の女優よ」
 
「ほんとに、持ち上げてくれるわね、何にも出ないわよ。」
―――相変わらず、このくそオヤジ、女を喜ばせる文句はよく知ってるわね。
可愛い女には誰彼こうなんじゃないの。
でも悪い気はしない。
あれだけ落ち込んでいたのに、少し自信?が沸いてきた。
 
いつまでも後ろ向きでいてもしょうがない。
 
着物着付けの師範を取ったら、今度は若い子に教えてみたらって言われてるから
それもいいかも。そうすれば給料もらえそう。
 
ピラティス教室、実はインストをしていて前からインターネットテレビから
取材させて欲しいと言われていたんだけど、、、受けてみようかしら。
 
それと、うーーん、今習っている英会話、気になるイケメン英国人の
個人レッスン頼んでみようかしら。
うわぁあどうしよう、ドキドキしてきた。
 
「どうかしたの、何か顔色明るくなったよ。」
「悪い事たくらんでるんじゃないの、慰謝料たんまりもらって離婚するとか?」
 
「その選択肢無いことはないけど、まだ早いわ。今度そうね半年したら又会ってくれる?」
「その時はおいしいご飯ご馳走してネ。面白い話聞かせてあげられるかも、、、、、」
 
 
――――、味噌には全く関係ない文UPしました。
そうとう前に書いた文章ですが、少し手直しして載せました。
これでもこの文完成するのに結構かかりました。
最後のオチがなかなか出来なくて、、、
 
今度久々この文のモデルになった女性とランチの予定、
どんな話が聞けるか楽しみ。
 
―――とまあこの話を書いてからさらに20年経ってる、てことは彼女は
もうとっくにお〇〇さん?!今はどうしてるかね?

 

2020-07-08 11:22:07

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