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3つ目の奇跡

3つ目の奇跡

ほんと今年の夏は暑いです。
猛暑日記録をドンドン塗り替え、日本列島が焼けたフライパンの上みたいでした。
でももう直ぐ秋!
30年以上も前になりますが、その年の夏になりかけの頃
地方に出張に行った時のこと(まだサラリーマン時代)、
発車前の新幹線に座って一人ボーっと窓からプラットホームを眺めていたら
慌てて階段を走って来る人なんかもいて、フーンこんなことあるかなぁ
なんてニヤニヤ妄想にふけっていたことを思い出しました。
記憶を辿りながら書いてみました。
 
 
『3度目の奇跡』
 
そうだよな、取れるわけないよな。何せ夏休み最初の土、日だもの。
宿なんて空いてないよ、無理。
だって明日だよ、しかも観光名所、人気のホテルときたら、、、ま、
でも一応電話だけしてみるか。
 
「えっ空いてる!」
 
ついさっきキャンセルが一件、ツインで一部屋なら取れる。
うっそー、ラッキー、
「えっ、はいお願いします。」やったね!!
 
ん、でも新幹線がなあ、、、1時間前に行ってホームに並ぶのも嫌だし、、、
恐る恐る窓口で、
「すみません明日なんですけど、はい、2枚。
いえグリーンでなくても、普通で、
えっグリーンは満席、じゃ普通なら空いてるとか?」
“そんな訳ないだろ”て顔で、窓口駅員はボタンを入力して行く。
 
画面が現れた。緑のランプが点いた。
「取れますね、10時12分、12号車10番のD、E」
窓口が不思議そうに言った。
「それ下さい!」
 
ありゃあ、買えちゃったよ、うそみたい。どうしよう。
ええい、こうなったら男は度胸、
思い切って誘ってみよう。
 
夜の食事の後で切り出した。
 
「ところで、明日なんだけど、うん急にゴメン」
「確か空いてるって言ってたよね?」
 
「そう、一緒に行かない?」
「前から出張で行くって話してただろ?」
「あー、うんホテル一泊だけど、予約取れたかって?」
「うん何とか、そう最近割と有名なホテル。」
 
「いいよ、無理にとは言わないよ。
気が向いたら来てくれればいいし、」
「都合悪けりゃ来なくても構わないし」
「僕?僕は仕事あるから、
どっちにしたって行かなきゃならないから、うん、」
 
「仕事はそんなにかからないから、
終わったらあちこち、一緒に行こうよ。」
「天気良さそうだし、暑いけどおもしろいと思うよ。」
 
「とにかく新幹線のチケット渡しておくから、」
「うん、取れたよ奇跡的に!」
「直接この時間に列車に乗って来てよ。」
と言って隣りの指定席のチケットを手渡した。
 
 
翌日、10時10分、新幹線ひかり112号、
隣りの席は未だ、、、空いたまま。
 
他の席は一杯、家族連れやグループ、カップルで満席。
皆笑顔で喋ってる、楽しそう。
 
そうだよな、来ないよな、来る訳ないよな、突然だったし、
しかも一泊だし。
ま、しょうがないか、一人仕事して早く帰ろ、
名物の味噌でも買ってさっさと帰って来よっと。
 
10時12分定刻、列車は音も無く走り出した。
過ぎ行くホームを眺めながら、
ひょっとしてホームにいたりして、
遅れて今にも駆け足で階段登って来たりして、
思わず目を凝らして見渡してみる。
 
ある訳、ないない、ふーっと大きなため息をついた。
偶々奇跡的に宿と列車の予約が取れただけ。
世の中そう甘くはないさ。
あるわけナイナイ!
三度目の奇跡なんて、、、
 
うしろで<コツコツコツッ>足音が止まった。
声がした。
 
「すみません、その席空いてます?」
 
振り返ると、旅行カバンを手にした彼女がニコニコして立っていた。
チケットを手に。
 
「くそっ、やられた」―――でも私の顔には満面の笑み
 
 
――実際遅れそうになって慌てて走って飛び乗り
指定の車両まで歩いてきたのか。
実は前から乗っていたのに彼を焦らせてみたかったのか、
そうだとしたらなかなかの女性だし、
やるもんだねーって言ってやりたい。
 
――――とまあこの二つはサラリーマン時代に書いた妄想二話、押し入れの隅にあったのを
引っ張り出して載せてみました。
 

2020-07-14 08:26:27

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